明星さんと読谷村へ

 

2015年の春、明星さんが「あめつちの日々」の音楽を担当してくれる事になり、ならば北窯を体験しましょうと大重、明星、川瀬で北窯を訪ねた事があります。いい気候の季節でした。

初めて見る北窯は、青空を背負ったレンガ屋根が沖縄という世界感をひきあげます。その下で仕事をなさる親方やお弟子さんたち、そこにある仕事の道具たち、風でゆれる沖縄の樹、蝉の音、何を見ても美しくて新鮮です。北窯のただならぬ空気感が明星さんや大重さんを襲いました。とはいえ想像通りですが、仕事で疲弊している仕事人はこの世界観に出会うとめろんめろんになってしまいす。その現象として、お互いあまりしゃべらずただカメラで激写する、1人になりたがる、自然とため息が続く、売店を覗く。

せっかくだからと米司親方より読谷村めぐりを提案いただき、座喜味城跡、残波岬…話ながらトボトボと歩きました。波打を観て、岬では頭の上をオスプレイが通過し、座喜味城跡から海を町を眺める。沖縄の太陽の下、暑さにダウンしそうな姿を親方にひた隠し、ゆっくりと読谷を体感して行きました。

さすがにぼやっとする我々を親方がさっして冷房設備のあるお菓子御殿に緊急入店。ヘビロテするお菓子御殿ソングに酔いながら冷たい飲み物をいただき我を取り戻した私です。明星さんが言葉を発しました。「意味なくギターが上手いんですが…」沖縄入りしてまさかここで初音楽コメント。共用します。

 

「あめつちの日々」は数少ないスタッフですが全員北窯を体感してから各々の仕事にとりかかっています。なんてことのないその時間が、仕事に大きな影響があると自分は思っているのです。